聖心女子大学 旧久邇宮邸(現パレス、クニハウス)  
 聖心女子大学の敷地内には、旧久邇宮邸の本館の一部、車寄、御常御殿が残されています。
 大正6(1917)年から大正15(1926)年にかけて建てられたもので、設計者は宮内省内匠寮(本館、車寄)と森山松之助(御常御殿)、施工者は横溝豊吉(御常御殿)であったとされます(本館、車寄の施工者は不明)。
  旧久邇宮邸はそうそうたる日本画家によって描き彩られた襖や引戸(かつては格天井にも描かれていた)や、様々な模様にあしらわれた寄木張の床が特長の日本建築で、大学ではこれらの特徴を生かし、茶道や華道など、情操教育の場として使用されていました。
 本業務では、今後もこれらの建物を良好な状態で維持し、活用していくための基礎資料となる現況図面の作成し、そして耐震診断に必要な構造調査及び劣化状況の調査を行いました。 また、建物の保存状況についての評価及び劣化診断を行い、今後建物を保存していく上での留意点をまとめました。