登録有形文化財 K家住宅
K家住宅は大正から昭和にかけての住宅街にあり、現在もその姿を残す洋風住宅建築です。
大正14年に設計・建築した建物で、急勾配の切妻屋根や窓庇の意匠など、アメリカンコロニアル風の意匠を持ちます。
1階は応接間を中心とした洋室で構成され、2階を和室とし、家族の私室を集約している例。
修理に際し、内外ともできるだけ建築当初の姿に復元しました。但し水廻りのシステム化や、プライベート空間の充実、
耐震性能の向上を目的とした地下室の設置など、現代の生活に則した改修を実施した。

屋根は建築当初からの石綿スレートの菱葺き。残念ながら大屋根は新建材に葺き替えられていました。
外壁や木部塗装色は、調査により判明した建築当初の色に復元しました。

   1階応接間。建築当初はリノリウム貼りの床でしたが、使い勝手の点から、本修理ではフローリングに変更。その他は建築当初の形・材料を残しています。
写真奥の室は左から、リノリウム貼りの旧書斎と、モルタル三和土のサンルームでしたが、食堂と連続させ家族の団欒の場とする目的で間仕切りを移設し、堀コタツを持つ和洋室に変更しました。サンルームはブリッジを介して、庭と繋がっています。