国登録有形文化財　Ｙ家住宅事務所（旧住宅店舗）・倉庫（旧西蔵）・表門 （栃木県　足利市）
明治24年に当地で創業した生糸撚糸商。旧三間道路（現在の主要地方道桐生・岩船線）に接する短冊状の敷地に建つ店舗併用の住宅です。東隣はＨ家店舗・住宅（詳しくは「Ｈ家店舗・住宅」の項を参照下さい）。道路に面して住宅事務所、表門、倉庫が連続して残っています。これらは昭和53年の道路拡幅に伴い、約4ｍ後方へ曳家しました。 住宅事務所は木造2階建て、切妻一部寄棟和瓦葺、出桁造り。創業時の明治24年に、住宅兼店舗として建築したといわれています。入口にあたる正面には、半間の下屋が付く典型的な造りです。。曳家の際、正面開口部の形状などを一部改修していますが、基本的に外観はそれ以前の意匠に復しています。 倉庫と表門は大正期の建築とされています。倉庫は木造2階建て、切妻和瓦葺きの土蔵。外壁は漆喰塗りですが、正面は押縁下見板を張り上げ、鉢巻だけが漆喰塗りとなっています。曳家の際、地下蔵を撤去したといわれています。表門は木造切妻和瓦葺の長屋門形式。曳屋に際し、小屋組を現在の形に改修したとされています。
		住宅事務所正面。 左手の引き違い窓は曳屋時の改修。 腰壁の洗い出しや御影石も曳家に際して改修された部分。
		住宅事務所・表門・倉庫が連続する。
		敷地内より表門・住宅事務所を見る。 写真右側の住宅部分は寄棟造りとなっている。