旧藤本家住宅主屋及び東屋(馬場花木園)
 横浜市鶴見区にある旧藤本家住宅主屋及び東屋は、風致公園である馬場花木園の中に残る茅葺の古民家です。丘陵と谷戸が織りなす起伏のある地形と、湧水が注ぐショウブ田、茅葺の主屋と東屋は、往時の本地域の谷戸田の原風景を彷彿とさせ、今に伝える貴重な景観遺構です。
 主屋は、港北区篠原から移築されたと云われ、大正2年(1913)3月に当地に上棟した、正面右土間、四間取りの民家です。東屋の建築年は不明ですが、茅を保管する納屋を前所有者が改修したものです。
 主屋及び東屋は、横浜市の「特定景観形成歴史的建造物」に指定され、建築基準法の適用除外指定を受けています。現在は横浜市が所有し、公園内施設として公開・活用しています。 
 本業務では、主屋及び東屋の耐震補強・修復のほか、活用・防災のために詰所棟、消火ポンプ小屋を新築しました。また、地域や建物の歴史を伝えるための展示計画も行いました。
 
「横浜・人・まち・デザイン賞」を受賞しました。(2022.03更新)